2016年7月31日日曜日

日経225オプションでGO!

日本に住む以上、資産のある部分は円で持たざるを得ません。米国株式あるいはグローバル株式に投資する場合は、ETFへのbuy & holdでもいいと思います(オプション取引は更にいい)が、日本株式の場合、過去四半世紀のパフォーマンスも悪いし、今後もあまり期待できそうにありません。そこで、円資産を運用するには、オプション取引が最適になります。

ネット証券で、売り建てはどれぐらいできるでしょうか?売り建て枚数無制限のインタラクティブ・ブローカーズ証券を除けば、SBI証券が50枚、楽天証券の15枚、マネックス証券の10枚です。野村証券や大和証券もこれと同等かそれ以下です。

手数料はどの証券会社も大体同じですが、証券会社の選択にあたっては、証拠金の方がはるかに大事です(カバード・コール以外)。

証拠金は、多くの証券会社では、

証拠金=(SPAN証拠金額×掛目)-ネットオプション価値の総額

で計算されます。掛目は証券会社によって任意に設定されます。4月29日時点では、SBI証券は1倍、マネックス証券では1.3倍、楽天証券では1.2倍でしたが、現在は各証券会社とも1倍のようです。相場により、掛目は上下します。一方、インタラクティブ・ブローカーズ証券は独自の計算で証拠金を計算しており、概して、SPANより多くの証拠金が必要です。

ところで、naked put writingとbull put spreadでは、どちらがいい戦略でしょうか?

先週の終値で見てみます。

Sep 8 N225 14500 put @ 90
Sep 8 N225 14250 put @ 60

14500 putを1枚売り建てる場合、最大利益は90,000円です。証拠金は、SBI証券では239,600円、インタラクティブ・ブローカーズ証券では630,207円です。SBI証券とインタラクティブ・ブローカーズ証券では、3倍ぐらい証拠金が違うので、naked put writingをするのであれば、インタラクティブ・ブローカーズ証券を使う理由はありません(売り枚数無制限以外)。

一方、14250/14500 bull put spreadを売り建てるのには、インタラクティブ・ブローカーズ証券では80,956円必要です。SBI証券など日系の証券会社ではスプレッド・オーダーができないので、インタラクティブ・ブローカーズ証券で取引することにします。このポジションの最大利益は30,000円です。上記のnaked put writingと最大利益を同じにするため、このポジションを3枚取ることにします。証拠金は242,868円になります。

SBI証券でのnaked put writing1枚と、インタラクティブ・ブローカーズ証券でのbull put spread3枚の最大利益は、同じです。証拠金もほぼ同じなので、両者のリスクはほぼ同じと思ったら、その考えは正しくありません。

相場が急落する場合を想定します。このような時は、ガンマが効いてputの価格は加速度的に上昇します。その結果、naked put writingでは証拠金が飛躍的に増大し、追証になる可能性が高まります。一方、bull put spreadでは、ヘッジされているので、証拠金の増大はnaked put writingより大分少なく、追証になる可能性は低くなります。

したがって、bull put spreadは、naked put writingより優れた戦略です。

2016年7月18日月曜日

日本市場のオプション取引

日本のデリバティブ売買システムが刷新されると聞いていたので、もしかしたら、現在プレミアムが50円以上の場合の5円の呼値が、1円になるのかなと淡い期待をしていましたが、相変わらずでした。

この呼値の粗さだけで、日本市場でオプション取引をする気が失せます。株式投資で、買値が50円、売値が55円だったら、売買しますか?

何度も言いますが、これは致命的な欠陥です。

それで、若い方は、ぜひ米国市場で取引することをお勧めします。米国の証券会社というだけで、10人中9人は引いてしまう日本人の閉鎖性を考えると、私は日本の将来は暗いと思わざるを得ません。IB証券では、手続きや質問などほぼ全て日本語で完結するのに、これを使わないのは勿体ないです。